横浜市がカジノを含むIRの誘致に関して報告書を作成へ

撤回となったIR誘致の検証を求められる

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カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関して、市長が変わったことで急遽撤回をして混乱を生んだ横浜市。カジノ反対派として市長選挙を戦っていた山中竹春氏が新市長となったことで、公約通りに誘致を撤回した形となった。

大阪府・市と共に本命と言われていただけに、政府関係者にも衝撃が走り各地で盛り上がり始めていたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関してマイナスなニュースとなりました。

その横浜市が、2021年11月9日に行われた定例会見で、今回のIR誘致を行うに至った経緯を本年度内にまとめて公開をすると明らかにしました。これは、反対運動を起こしていた「カジノを考える市民フォーラム」という市民団体が検証を求めていたものに応じる形になっているようです。

「カジノを考える市民フォーラム」は、横浜市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に参入した経緯や活動をしっかりと振り返って検証することを求め、第三者委員会を立ちあげることも市に請求する方針でいるようです。

横浜市では、2019年に当時の林文子市長を中心として、IRを誘致する考えがあることが公開されました。7つの事業者から申し込みがあり、日本でも有数の観光地として知られる横浜へのカジノ誘致ということで、世界的にも注目を集めていました。

しかし、地元住民からは市の説明が足りないという声も多く、2020年11月に「カジノの是非を決める横浜市民の会」が、「誘致の賛否を問う住民投票条例の制定」を求めた署名を行い約20万6千人分を集めました。条例制定の請求に必要な署名数の3倍も集まる結果となり、住民からはカジノを反対している声が大きいということが報道されました。

今回、カジノ誘致反対派の山中市長は、内部また外部からの意見や声を集めてしっかりとした報告書を作ることを考えているようです。

前衆議院議員の秋元司さんが「収賄と証人買収の罪」に問われ、1審で実刑判決を受けるなど大きなお金が動くカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致。今回は、横浜市がどんな報告書を公開するのか、非常に注目が集まる所です。