ニュースで見かける「カジノ企業」は何をしている会社?

カジノだけでなくさまざまな業態を持った企業が世界で活躍

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この記事の概要

報道などで見るカジノ企業はどういったものなのか?解説していきます。

日本でもカジノを含む統合型リゾートの誘致が進められる中で、注目されるのがカジノ企業です。大阪の誘致では「日本MGMリゾーツ」、長崎の誘致では「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」が事業者に指名されています。

カジノ企業は単なるギャンブルを提供するだけではない

カジノ企業といっても、定義や規定があるわけではありません。広い意味では、カジノの企画や運営にかかわる企業ということになります。

まず、単純にカジノ店を経営している会社はヨーロッパなどでよく見かけます。ドイツ国内でマシンゲームのチェーン展開をしている「シュトルムカジノ」などはそのひとつです。

国内のカジノを国が管理運営しているケースも多いです。実際には国営企業が一括してカジノを管理しているようなケースとなります。スウェーデンの「カジノコスモポール」やフィンランドの「ヴェイカウス」などが挙げられます。

国営と民間のカジノが両方ある国にもあります。オランダでは最大手の国営カジノチェーンの「ホランドカジノ」のほか、いくつかの民間企業がカジノを運営しています。

そして、最も規模が大きいのが、いわゆるIRを手がける企業です。主要な会社を上げると、アメリカの「ラスベガス・サンズ」、「ラッシュ・ストリート」、「MGMリゾーツ」、「シーザーズ・エンターテインメント」、「ウィン・リゾーツ」など。

さらに、マカオの「ギャラクシー・エンターテインメント・グループ」、香港の「SJMホールディングス」、マレーシアの「ゲンティン・グループ」などがあります。

いずれも世界各地でカジノを含むIRの開発や運営を手掛け、グローバルな活動を展開する企業です。カジノ企業というよりも、カジノを含んだトータルなエンターテインメントをプロデュースするといったほうがいいかもしれません。 つまり、カジノを始め、レストランやカフェなどの飲食施設やショッピングモールなどの商業施設、さらにホテルやMICEなどの複合的施設の企画運営を行って多くの観光客を呼び込む企業となります。

さまざまな起源を持っているカジノ企業

IR開発企業は、「ラッシュ・ストリート」のような不動産開発をベースにしたものや、「MGMリゾーツ」のようなエンターテインメント事業を起源とする会社、なかにはもとは建築資材会社として活動し、後にIR開発に参入した「ギャラクシー・エンターテインメント・グループ」のようなケースもあります。

アメリカの「ハードロック」のように、ハードロックカフェのチェーン展開から発展して、さまざまなサービスを提供する企業もあります。

こうした企業の中でも、オーストリアの「カジノ・オーストリア・インターナショナル」のような、国営企業ながら世界各地のカジノを含むIRも手がける、異色の会社もあります。

日本におけるカジノ誘致によって、これらの企業を報道などで目にする機会も多くなっています。カジノ企業と言ってもさまざまな事業を行っている場合がほとんど。こういった事実もしっかりと理解すると、単なるギャンブルを行っていないことがわかると思います。

※画像「MGMリゾーツ」公式HPより