ラスベガスのカジノホテル「シーザーズ・パレス」で創業時から働く「最後の1人」が退職

オープン前に採用、55年間勤務の従業員

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ラスベガスにあるカジノホテル「シーザーズ・パレス」のオープン時を知る“最後の1人”で、今まで現役のディーラーとして働いてきたベテラン従業員が退職し多くの人々からの祝福とねぎらいを受けています。

アメリカのラスベガスにある老舗のカジノホテル「シーザーズ・パレス」で、創業時に在籍して現在まで55年間働いてきた最後のベテラン従業員が退職し、多くの人々からの祝福とねぎらいを受けています。

78歳になるブラックジャックのディーラー

78歳になるブラックジャックのディーラー、ベニー・フィギンズさんは「シーザーズ・パレス」がオープンした1966年の8月5日よりさらに1ヶ月ほど前から、同施設でポーターとして働きはじめたといいます。

もともと彼は肉体労働を中心に日銭を稼いでいた若い労働者で、ある日の晩に仕事の後で「シーザーズ・パレス」の建設現場を訪れた際に、近くに停めてあったトレーラーに貼られた求人広告を目にしたそうです。

そこに自分の名前を書いてエントリーしたところ、オープンを目前に控え人手不足ということもあり即採用されたとか。

ひたすら床に掃除機をかけたり、テーブルや椅子などを掃除する仕事からスタートし、やがてポーターとなったそうです。

「バッカナル・レストラン」での皿洗いや、「サーカス・マキシマス・ショールーム」でのチケットのもぎり役などを経て、1971年にはカジノの花形であるディーラーとなり、ブラックジャックを担当することになりました。

オープン当時を振り返り、フィギンズさんは「お客さんがみんなここに集まっていたような状態。とにかく毎日満員で、予約が取れず建物の中に入りきれない、そんな状態が少なくとも5年は続いたように思うね」と語っています。

大物歌手とも交流があったフィギンズさん

また、これまでの半世紀を超える勤務の中で、フィギンズさんはフランク・シナトラ、サミー・デイヴィス・ジュニア、ダイアナ・ロスといった錚々たる顔ぶれとも顔なじみとなるほどに一緒に仕事をし、そのことが今でも良い想い出になっているといいます。

なお、一緒に働いていた仲間の中には、後に結婚する愛妻・シャーリーさんもいたそうで、彼女も38年間「シーザーズ・パレス」で働き続けたそうです。

なお、今回の退職に際して行われたセレモニーでは、「シーザーズ・パレス」のエリア社長をつとめるショーン・マクバーニー氏から熱烈なハグを受け、改修前のカジノドームに吊られていたシャンデリアのクリスタルの紐と盾が記念品として贈呈されたそうです。

※画像は「シーザーズ・パレス」公式Twitterより