オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州は、カジノ業界を監視・統括する独立した規制当局を新設することを発表しました。
オーストラリアで「カジノ改革」が進む
これは、ニューサウスウェールズ州で接客・競馬担当大臣をつとめているケビン・アンダーソン氏が発表したもので、同州では「カジノ改革」ともいうべき取り組みに着手。
オーストラリアのカジノ業界でこれまで取り沙汰されたマネーロンダリングや組織犯罪への関与といった疑惑をなくし、高い透明性と質の高い説明責任を伴う形での健全な運営を目的として行われるものです。 すでに同州ではカジノ事業者に対する様々な規制や監視に関する新制度を取りまとめています。その中にはジャンケットオペレーターとの取引の禁止や、客がプレイする前にプレイマネーの資金源を特定する義務など多様な項目において事業者に厳しく要求する形になる予定だとしています。
マネーロンダリング撲滅を目指す
これらの新しい規制は、このほど設立されるニューサウスウェールズ州独立カジノ委員会(略称「NICC」)によって施行されるとのことですが、こうした規制と監視の権限を同委員会に与えることでより健全なカジノ運営を目指せる見通しです。
今回の決定について、前出のケビン・アンダーソン氏は、「我々はマネーロンダリングをはじめとする各種犯罪を防止するために、厳格な管理体制を可能とする規制と、監視組織を新たに作り出しました。これらの改革に伴う新しい取り組みは、ニューサウスウェールズ州の人々にとって、カジノ業界が犯罪色のない健全なものであることを確信できるものにしたいと考えています」とコメントしています。
なお、このNICCはチーフコミッショナーを頂点に、アンチマネーロンダリングに精通する専門家を含んだ4人のコミッショナーによって組織されるとのことです。
警察や犯罪委員会と相互に連携しながらマネーロンダリング撲滅を目指しますが、NICC自体も新設の多機関調整委員会によって監視させることで従来の監視組織よりもより透明性の高い運営が実現できるとしています。
オーストラリアでは、大手カジノ運営のクラウン・リゾーツがマネーロンダリング疑惑で約1年半前にカジノ運営免許が停止となるなどトラブルが起きています。
今後、どういった形でオーストラリアのカジノ業界が変わっていくのか?注目です。