ニューヨーク市議会、州予算の承認でカジノ開発を推進へ

注目のライセンス料は最低制限価格5億ドル

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ニューヨーク州議会は州予算を正式に承認。これにより同州のカジノ営業許可を出すことができるようになり、カジノ開発スタートに向け大幅に前進することとなりました。詳細をお伝えします。

ニューヨーク市議会は2022年4月9日、州予算を正式に承認。これにより、ニューヨーク市街地へのカジノ開発が大幅に前進しました。

カジノ開設のライセンス料は最低制限価格5億ドル

これはニューヨーク州市議会が報告した議事録で明らかとなったもので、カジノ開発の許認可等の内容を含む最終的な予算案は2022年4月8日までにまとめられ、その後、2022年4月9日まで協議が続けられた後に承認されました。

これにより、カジノ開設の際に求めるライセンス料が最低制限価格5億ドルとなるとし、業界内で有力視されていた「10億ドル」を大幅に下回る額となりました。

このライセンス料が「高い」と見るか「安い」と見るかで市議会内およびIR業界でも意見が分かれていました。そうした中で最終的に「最低制限価格5億ドル」となった背景には、宝くじや競馬といった先行して既に運営されているカジノ以外のギャンブルとのバランスや、景気などがあると推測されているようです。 とりわけ競馬産業の重要性を揺ぎないものとした上での、同産業とのバランスが重視されていたそうです。

ニューヨーク市では3つのライセンスを提供

なお、今回の決定によりニューヨーク市では3つのライセンスを提供する予定となっていますが、これはおよそ10年前に承認した、「州全体で7カジノ、そのうち4つが北部、中部、西部域、残り3つがニューヨーク市内」という案をそのまま踏襲した形となっています。

当初はニューヨーク市街地でのカジノ開発は、2023年まで認可されないことになっていました。しかし、その後に訪れたコロナ禍によって州経済が深刻な打撃を受けたことから1年前倒しで承認されるようになったそうです。

なお、3箇所のカジノにおける開発許可を巡っては、既に「MGMリゾート」、「バリーズ」、「ラスベガスサンズ」などが興味を持っているとされています。

有名な観光地としても知られているニューヨークで、どういった形でカジノが開業されるのか? 日本でもカジノを含むIRの誘致が本格化している中で、注目が集まります。