マカオにあるカジノ関連会社の『サンシティ・グループ・ホールディングス』は、2021年12月10日をもってカジノ施設にVIP客を案内するジャンケット業務を停止すると関係者が明らかにしました。『サンシティ・グループ』は、ジャンケットの仲介業大手として知られていましたが、最高経営責任者の『周焯華』が越境賭博シンジケートを率いていたとされ逮捕されてしまいました。
『周焯華』は2021年11月26日に温州市公安局が逮捕状請求手続きを承認しました。この逮捕を受けて、マカオのカジノに関連する企業の株価が急落。同社がマカオで運営しているカジノ施設のVIPルームを閉鎖するなど混乱を引き起こしています。
マカオのカジノにおける売上の中でVIPルームが占める割合は約5割と言われ、『サンシティ・グループ』が数多く運営などに関与しています。今回、VIPルームの閉鎖などでマカオ全体のカジノの売上も今後は当面激減する可能性があります。
『サンシティ・グループ』は『周焯華』の逮捕でジャンケット業務におけるカジノとの提携を止められ、システムも法的手続きの関係で停止させられています。また、捜査の関係でシステムや口座も凍結されていて、従業員は2021年11月分の給料を受け取っていないと言われています。
事件が長引きそうだということもあり、現在は『サンシティ・グループ』の社員などを対象として、2021年12月13日から労働当局が相談窓口を開設しています。今回の騒動で、同じくジャンケット業務などを行う『タクチュングループ』も複数のカジノから協力関係を解消され、売上が激減する恐れがあります。今後もいくつかの企業が影響を受ける可能性が高くなっています。
ジャンケットはどんな仕事をしている?
ジャンケットの業務は、カジノ施設で大金を使うVIP客を対象にしたサービス業となっています。航空券から宿泊施設、食事やカジノ以外の遊びまでサポートする執事のようなサービスを提供します。しかし、こういったVIP客の中にはマネーロンダリングを目論む勢力もいることが問題視されていました。
VIP客には専用の個室を用意しているカジノ施設も多く、桁外れの大金を使うことから優遇されていました。ジャンケットは客と施設を橋渡しする役目として、さまざまなトラブル回避も行う存在となっています。
今後、ジャンケット業界がどうなるのか不透明な状態となっています。年末年始に向けて、マカオではカジノの売上の増加が期待されるところでしたが、思わぬ状況となってしまっています。今後の捜査情報に注目をしていきます。