大阪・カジノを含むIR誘致、市有地の賃料が「不当に安く違法」として住民監査請求

4社の不動産鑑定結果のうち、3社について評価額が一致

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大阪・カジノを含むIR誘致で市有地の賃料について住民監査請求

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大阪府・市がすすめているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、候補地・夢洲の賃料が「不当に安く違法」だと住民監査請求が行われました。

大阪府・市が、夢洲を候補地にすすめるカジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、市有地の賃料が「不当に安く違法」だと抗議の声がでています。

誘致計画は、事業者に「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、大阪府と市が開業に向けた様々な調整を行っています。

夢洲の「49ヘクタール」ほどの市有地の賃料が安すぎる

その大阪で、市民85人が市に対して、IR事業者との賃貸借契約の締結の差し止めを求めた住民監査請求を行いました。この問題は、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画において、候補地の夢洲の「49ヘクタール」ほどの市有地の賃料が安すぎるとしているものです。

大阪市は、事業予定者に対して土地を「35年間」貸し出す予定とした上で、賃料を年間約25億円に設定しています。この賃料に関しては、大阪市が2019年に不動産鑑定業者4社に対して査定を依頼し、その上で作成された不動産鑑定評価書を根拠に計算しています。

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大阪カジノを含むIRの候補地に市議会が問題点を指摘

大阪市は、夢洲の予定地の賃料を、1平方メートルあたり月額「428円」に設定しているとしています。今回問題になっているのはこの値段に関してで、査定をした4社の不動産鑑定結果のうち、3社について評価額が一致していると指摘されています。

偶然の一致なのかわからないところですが、鑑定した業者が「IRは考慮外」として安く設定された賃料となり「地方自治法に違反」していると主張し、住民監査請求が行われました。

土地を管轄する大阪港湾局は「価格を指示した事実はない」

請求を行っている市民は、大阪市側から誘導や、業者の談合があった可能性を指摘しています。

土地を管轄する大阪港湾局は、現地メディアの取材に対して、「価格を指示した事実はない」として今回の訴えを否定しています。

さまざまな問題が出ている、大阪のカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。今回の住民監査請求はどう決着がつくのか、引き続き情報を追っていきます。