コロナ禍による業績悪化が原因で、2022年1月に会社の清算を申請した「ゲンティン香港」。同社が所有するカジノクルーズ船が、債務返済のためオークションにかけられ売却されることが報道されています。
2017年に約10億ドル(約1360億円)を投じて建造
今回オークションにかけられる船は、ゲンティン香港が運営していたクルーズ船事業のブランド「ドリームクルーズ」で運航再開を模索していた「ワールド・ドリーム号」と言われています。
World Dream Cruise Ship Set For An Auction
— MarineInsight (@MarineInsight) December 1, 2022
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2017年に約10億ドル(約1360億円)を投じて建造され、約15万695トン、18階建ての構造となっています。2000人の乗組員と最大5000人の乗客で運航することができる大型のカジノクルーズ船となり、建造当初はゲンティン香港がレゴブロックを使い、8.4メートルほどのサイズで同船を再現したミニチュアも大きな話題となっていました。
その後、コロナ禍によりクルーズ船事業は長きに渡って深刻な打撃を受け続け、運航再開を発表した直後に感染が拡大。中止を余儀なくされる事態が頻発しました。
これにより、ゲンティン香港のクルーズ船事業は急速に業績を悪化させ、前述の会社清算の申請をすることになりました。
入札者に制限はなく原則として誰でも参加することができる
働き場所を失った「ワールド・ドリーム号」は、シンガポールに停泊した状態となり現在に至っています。
2022年12月21日に行われるというオークションでは、入札者に制限はなく原則として誰でも参加することができるそうです。ただ、入札する際には、保証金として必ず5万ドル(約680万円)を前納する必要があるそうです。
現状のまま引渡しを前提としているため、落札者は自分でこの船の性能・状態を確認することはもとより、保管所から退去させるために乗組員の手配など同船の運航に必要な要素に加え、新たな泊地の契約などを行う必要があります。
多くの入札があるとは想定されていませんが、、業界大手のディズニー・クルーズ・ラインが有力視されています。2022年11月に行われたオークションで、同じ「ドリームクルーズ」の未成艦を購入していることから、今回の「ワールド・ドリーム号」の入札にも参加する可能性があると見られているそうです。
※画像は「ゲンティン香港」公式HPより