大阪のカジノ誘致で住民投票条例の直接請求が可能に

約15万6千人分の署名が有効となる

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大阪カジノ誘致で住民投票条例の請求可能に

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大阪のカジノ誘致に対して、市民団体が求めていた賛否を問うための「住民投票条例の制定」を求める直接請求が可能になりました。

大阪府と市がすすめているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。候補地を夢洲に設定し、『日本MGMリゾーツ』と、『オリックス』を中心として設立した『大阪IR株式会社』が行政と協力して国への申請を行っています。

約15万6千人分が各市区町村の審査で有効

その大阪で、市民団体「カジノの是非は府民が決める住民投票をもとめる会」が賛否を問う住民投票の実施を求めています。この会には大学教授や弁護士なども参加し、署名活動を2022年3月25日から2022年5月25日の間に行っていました。

署名は最終的には20万8552筆も集まり、府内各地の選挙管理委員会に提出されていました。その署名が有効かどうかの審議が行われ、2022年6月27日に約15万6千人分が各市区町村の審査で有効と判断されました。

賛否を問うための「住民投票条例の制定」を求めて直接請求を行うためには、府民からの署名が約14万6000人分必要となっていました。有効数が上回る結果となったことで、直接請求が出来ることになり、2022年7月中旬ごろに行わられる方針となりました。

住民投票には高いハードルが何個も

有効な署名は集まったものの、住民投票には高いハードルが設定されています。

今回の署名提出に対して、吉村洋文知事は会見で「住民投票をする必要はないと思いますが、反対派の意見を聞いて進めていくことが重要だと思っています」とコメントしています。

また、直接請求が実際に行われても、審議をする府議会はカジノ誘致を推進している「維新の会」が過半数を占めていることもあり可決される可能性は低くなっています。

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さらに、予定地となっている夢洲については、市民団体が大阪市に対して「土地契約の差し止め」を求める、住民監査請求を行っています。これは、夢洲が土壌汚染に加えて地盤沈下リスクもあるとして大阪市が負担する予算がさらに増える可能性があると主張しています。

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参議院選挙の争点ともなっているカジノ誘致だけに、今後の行方が注目されるところです。