新型コロナウイルスの感染拡大による影響が様々な産業に深刻なダメージを与え続けているなか、デトロイトにある3つのカジノは、2021年に前年比で倍増となる12億6000万ドルもの収益を上げていたことがわかりました。
デトロイトにある3つのカジノのうち、トップとなる収益を上げたのは『MGMグランドデトロイト』で、カジノ売上は5億5400万ドル。ついで、2位に『モーターシティカジノ』の4億3820万ドル、3位の『グリークタウンカジノ』は2億7450万ドルとなりました。コロナ前の2019年には及ばないものの、2021年は新型コロナ対策で上半期は人数制限がかけられていたことを考慮すれば、確実にカジノ売上が回復していることがわかるデータとなります。
収益の内訳としては、全体の77%がスロットマシンのもので9億9880万ドル、次いで、テーブルゲームが2億6880万ドル、小売スポーツベッティングは2695万ドルとなっていて、これらの合計額にオンラインゲームからの収益は含まれていないとのことです。
高収益の背景には、実に様々な要因が考えられます。
まず、デトロイトのカジノにおいては、コロナ対策が的確に行われていることが挙げられます。というのも、これら3つのカジノでは、ミシガン州保健福祉省から提示されたガイドラインを遵守する形で、ワクチン接種の有無に関係なく、客も従業員もマスク着用を義務付けています。また、屋内カジノでの喫煙を禁止。こうした徹底的な対策を行ったことでクラスター感染などを起こすこともなく、客も安心してカジノ施設を使用できる事になりました。今後も対策は継続をしていく見通しです。
なお、デトロイトがあるミシガン州では、商業カジノ売上に8.1%の税を課しており、市も10.9%を徴収しています。そのため、2021年にはデトロイトは3つのカジノから合計で1億6080万ドルを受けとることができます。また、州としても1億260万ドルが財源に加わることになりました。
こういった税収が地域の財源として使われ、また雇用も生み出しています。カジノを含むIRが、地元で経済効果を生み出すことがよくわかります。
日本におけるカジノを含むIRの誘致に関しても、こういった地域へのカジノ売上の貢献を自治体や事業社はもっとアピールすべきでしょう。