横浜市長選挙は過去最多となる8人が立候補し、立憲民主党が推薦した元横浜市立大学教授の山中竹春氏が当選となりました。
山中氏は、選挙中も横浜へのIR誘致を反対する方針を打ち出していて、これで事実上横浜にカジノが出来ることは無くなった形となります。
そこで、日本のIR構想は今後どうなっていくのか?いろいろな可能性を考えてみました。
お台場カジノ構想が再度議論される可能性
まずは横浜が誘致をしないとなった場合に、現在では候補地として大阪府・市、和歌山県、長崎県の3カ所が残ることになります。そうなると日本の西側にばかり候補地が集まってしまうことになります。そこで、東京が再度候補地として浮上するのではないのかと言われています。
元々、東京都はIR誘致に関してどこよりも早く可能性を模索していました。99年に当時の石原慎太郎氏が都知事に初当選した際にも、お台場にカジノを誘致する公約を盛り込んでいます。
その後に現在の小池百合子知事に変わるまでの間で、東京都のIR誘致はトーンダウンしていき最終的には横浜が『東』における候補地となりました。
観光客の増加や経済におけるプラスの可能性はありながらも、ギャンブル性も強い部分を歴代の知事がクリアに出来なかったからです。
しかし新型コロナの蔓延で状況は変化します。
大幅な税収のアップを見越していた東京五輪・パラリンピックは新型コロナの影響で経済へのプラス影響は限定的となりました。当然ながら観光客は来るはずもなく、大会関係者以外は原則的に日本に来ていません。
そこで、小池知事がアフターコロナにおける経済成長の目玉として『お台場カジノ構想』を検討する可能性が高くなってきています。新型コロナが収束した際の観光客の誘致、経済の成長を一度に行えるのはカジノくらいしか無いからです。
フジ・メディア・ホールディングスの協力も必要
また、石原都知事時代にはフジテレビを主体としてお台場に拠点をおいているフジ・メディア・ホールディングスを中心とした3社がIR開発計画提案書を東京都に提出していた過去があります。
小池知事が本腰を入れて横浜に変わるお台場IR誘致を進めるなら、新型コロナでお台場でのイベントが縮小しているフジは再度協力体制を整える可能性が十分に考えられます。
政府はIRに関する第一次申請期間を2022年4月までと決めています。それまでに、東京都がIR構想に関して動き出すのか?日本経済の立て直しを行う上では、必要な議論となりそうです。